特定の業界で会社で働いている人は、他の業界ではあまり使用しない言葉を使用することもあります。「与信」という言葉も特定の業界で働いている人が使うことが多い言葉です。与信とは、信用を与えることを意味する言葉です。販売業界では商品の売買をするうえで人間同士の信頼関係が重要になることから、こうした言葉が広く使用されています。

与信を利用した取引として代表的なものが売掛金による商品の販売です。商品を販売する時は、商品の引き渡しと代金の支払いを同時におこなえば、確実に代金を回収できますが、場合によっては商品の引き渡し時期と代金の支払い時期が違ってしまう場合もあります。商品を販売する相手がすぐには販売代金の全額を支払えないような場合に、こうした方法で取引がおこなわれることがあります。どのような相手にもこうした方法で商品を販売できるわけでなく、商品を先に渡して後から代金を支払ってもらうためには、相手に信用があることが必要です。

信用のある相手ならば、大量の商品を後払いで販売することも可能になり、商品を購入する相手にとっても、支払いの時期を後にのばせるメリットがあります。このような相手への信頼を前提として取引をすることを与信取引と呼んでいて、この方法で商品を販売するかどうかは、商品を販売している会社が自由に決めることができます。今までに何回も商品を販売していて、一度も商品の代金支払いが遅れたことがないような相手ならば、与信取引もしやすくなります。